こんにちは
Steam spring sale で買ったゲームの雑記part2の時間がやってまいりました。
サクサクやれそうなゲームはさっさとやりたいお年頃。いつからゲームは消化するものになったのか。やるゲームが増える度に、一つ一つのゲームにかける時間や思いは減っていく。
今回プレイしたのはこのゲーム。
7 Days to End with Youです。
コミュ力を剥奪されるタイプの記憶喪失
このゲームは、記憶喪失で言葉がまともに分からない主人公が、自身の死が訪れる7日目までに女性のかける言葉の意味を探る探索ビジュアルノベルです。
記憶喪失を取り扱った作品はゲームを問わず数多く存在しますが、僕は今まで言語能力までなくなるタイプのものは触れてきませんでした。というかこのゲームでハッとしました。記憶喪失で言語能力がなくならないのって大分都合いいなと。
それはさておき、このゲームの特徴的なところはやはり、ほぼノーヒントで女性の話す謎の言語を翻訳しなければお話の流れが全くつかめないというところです。
プレイヤーは女性の家を探索し、女性に物の名前を教えてもらったり、カレンダーや本などのそこに書かれているべき文字を雰囲気で予想したりして言葉を翻訳します。
翻訳した単語はゲーム内に用意された単語帳のようなものに、翻訳と単語の雰囲気を色としてメモすることができます。また、翻訳した単語は後に会話や物の記載などで出てきたときに翻訳がルビ振りされます。
この翻訳作業が本当に難しいんですよ…
最初のうちは記号のように構成されたこのゲーム独自の謎言語の嵐によって情報が飽和してしまい、どこから翻訳するかの見通しさえつきません。
7日が経過すると強制的にエンディングを迎え、単語帳のデータを引き継ぐ形でニューゲームを余儀なくされる、"ゼルダの伝説ムジュラの仮面"のやり直しのゲーム性を彷彿とさせる展開です。
なので、何度か7日間を繰り返して物語の大まかな流れや使われる単語の法則性を掴むことでやっと翻訳ができるようになってくるんですよね。
一日の終わりに決められた1単語ずつ、翻訳のヒントが出されるのでそれも後の翻訳作業に効いてきます。
この、前に翻訳した単語が全く別の場面の会話の中で出てきたときに意味が通っているのが格別に気持ちいいんです。
また、よく登場する単語は後の会話で意味が通らなくなっていることで誤訳に気がつくことができるのも面白いですね。
新たな翻訳や誤訳の修正によってどんどん会話が意味の通るものになっていく様は、まるで自分が物語を作っているかのような感覚になりました。
初めて外国語を日本語に翻訳した人もこんな気持ちだったんでしょうね…(畏怖)
不穏な展開と翻訳不良と俺
女性の家は一般的なリビングや居室の他に、屋内菜園や謎の化学実験を行う部屋があり明らかに只者の住まいではありません。
それらが一体何に使われるのか、一体主人公はなぜ記憶がないのか、それらは全て翻訳が進んで初めて明らかになります。
実際、翻訳を進めていくうちに不穏な展開になってきて普通に怖くなってしまったので途中で他のゲームに逃げました。
決して翻訳が面倒くさくなったわけでは、ない。
そしてある程度翻訳が進み、探索や会話イベントを終えたあたりで自身の翻訳に限界を感じます。
明らかに登場回数や意味の取り方に難のある単語がいくつか存在し、それらはよっぽどやり込んで緻密に世界観を紐解かないと恐らく解読ができません。
結局、全体の8割ほど翻訳が済んだ時点で攻略を見てエンディング分岐を踏みに行きました。
………いやー、本当にキツかった。
翻訳のキツさももちろんありますが、結末の壮絶さが凄まじくて、ファーストインプレッションの(勝手な)ゆるい雰囲気を完全に裏切られた形となりました。
お話が大分分かってきて、不穏な単語の翻訳をしているとき、この意味にしたくねー…って思いながら、でもこの意味しか通らないもんな(泣)と、とても苦しくなりながらのプレイでした。
結果的に立て続けに暗めのゲームをやってしまいましたね。正直精神的にキツイです………
こういった雰囲気のゲームは基本的に苦手なので避けていきたいところでしたが、それ以上にお話を翻訳で解読するというインディーズならではのゲーム性が尖りきっていてとても好きです。翻訳自体はとても難しく間違いなく人を選ぶと思いますが、流れに乗れてくると5,6時間で一つのエンディングは踏めるくらいのボリュームになっています。
今度はもう少し明るいお話の翻訳がしたいなぁと振り返りつつ、今回はここまでにしたいと思います。
ノシ